国連平和大使/動物行動学者 ジェーン・グドール博士
「ルーツ&シューツ」にこめた願い。
講演で、いつも話すことがある。植物の根は、表面には見えないけれど、地中に広がり、しっかりとした地盤をつくってゆく。新芽はか弱く見えるけれど、光をもとめて、レンガの壁をも破る力を持っている。この根(roots)と芽(shoots)のように、世界を覆うさまざまな困難の壁を突き破る力をみなさんに発揮してほしい。
その思いを形にしているのが、若い人たちのための自然保護活動プログラム「ルーツ&シューツ」だ。
世界をより良いものに変えたいと思う人が集まり、何かをしようと思う。何でもいい。そのときには、ひとりひとりが「根」と「芽」になってつながり、大きな力へと変わっていこう。それを実現するための受け皿が、ルーツ&シューツ。理念を語るだけでも、希望を語るだけでもない。ジェーンは「行動の人」だ。
あのたおやかな姿からは想像もつかない、鋼のような信念で行動し続けるジェーンは、自身が希望の理由とした、「きっと不可能だといわれたことを成し遂げた人」になるだろう。彼女は、人間は特別ではないと私たちに教え、チンパンジーという隣人の新しい世界を見せてくれた。そして、自然を破壊し続けるいまの世界を変えるに違いない。
しかしジェーンは、柔らかな微笑みでそれを否定するだろう。「世界を変えるのは、私ではなく、あなたなのです」と。

2005年11月アニマルプラネット日本開局5周年イベントで講演をするグドール博士。

(c) Michael Neugebauer
タンザニアでの森林再生プロジェクト(TACARE)や、環境教育プログラム「ルーツ・アンド・シューツ」などの活動に力を入れている。
タンザニアでの森林再生プロジェクト(TACARE)や、環境教育プログラム「ルーツ・アンド・シューツ」などの活動に力を入れている。