Eliica特集
スーパー・エコ・カー"Eliica" 慶応大学 Eliica(エリーカ)プロジェクトチーム
2007年、気になる市販車発売。
「Eliicaは試作品です。商品化のためには、安全性、信頼性を確立しなくてはなりません。これまで進んできた過程の何倍も大変な道のりになるでしょうし、資金も大量に必要です」と清水教授は顔をひきしめる。
この先2次にわたるプロトタイプ制作を経て、商品が誕生する見込みだ。2007年のクリスマスに、最初の200台が発売される予定。「モノ作りというのは遅れがちですから、予定通りにいくかどうかわかりませんが……」と苦笑いも見せた。
この200台は3000万円で発売される予定。単に少数生産だから高い、というだけではなく、デザイン・内装とも3000万円にふさわしい高級車となると言う。
「ベンツのAクラスはそのブランド力で、実際のコストの数倍の価格で売れています。Eliicaも、ほかの車の2〜3倍の額を出しても買いたいと思わせる特別のクルマにしたい」吉田教授の話に熱がこもる。
「最終的には10万台の大量生産を実現して、いまの軽自動車ぐらいの価格で売れたら」と清水教授の展望も広がっていく。
需要がないなら、作ってしまおう。
現在 1台で 2億円以上がかかるEliica。実は低価格化のキーポイントは、リチウムイオン電池だ。大型のリチウムイオン電池は普通のメーカーでは作られていないので、高価格にならざるを得ない。各電池メーカーも、「自動車メーカーがリチウム電池車を作らないなら、大量需要は見込めない」と、低価格化には及び腰だった。そこで吉田教授と学生たちは頭をひねった。
「自動車メーカーがやらないなら、ほかの業種で需要がないか? 電池メーカーが大量生産できるように、需要を探し出してやればいいんじゃないか?」
たとえば住宅メーカー。家具メーカー。ビル建設会社。自動車メーカー以外にも、大型リチウム電池を必要とする分野があるのではないか。潜在的な需要をまとめて、電池メーカーの低価格化を促そう。そうして、Eliicaプロジェクトから、「L2(エルスクエア)プロジェクト」が生まれた。ここには今、各分野から10社が参加し、リチウムイオン電池の低価格化のために協力している。東京電力や国土交通省もオブザーバーだ。



