ワールド・エクスプローラー [world explorer] 世界を拓く人

Eliica特集

スーパー・エコ・カー"Eliica" 慶応大学 Eliica(エリーカ)プロジェクトチーム

Eliicaに乗ると、未来が見える。

「不便を我慢するエコロジーではなく、もっと快適でもっとエコロジーな生活を」。テクノロジーの最先端が、これまでにないエコロジーを創り出そうとしている。慶応大学が数多くの企業と連携して生み出したスーパー・エコ・カー 「Eliica」 (エリーカ)。大学発の環境ベンチャーとして新しい世界を切り拓く、この電気自動車開発プロジェクトにスポットを当てる。
取材・文 江口絵理

最高時速370km。加速度0.68G。超高性能の電気自動車が誕生した。ガソリン不要のこのリチウムイオン電池自動車「Eliica」は、排気ガスを出さない。エンジンの騒音もない。使うエネルギーはガソリン車の4分の1という、究極のエコ・カーだ。

電気自動車と言えば、「環境に優しいのはいいけれど、スピードが出ないし加速も悪い」というのがこれまでのイメージ。ところが、Eliicaのスピードは乗用車としては世界最速、加速はなんとポルシェ911 ターボを超える。開発チームの技術スタッフを率いる清水浩慶応大学教授は、「Eliicaのさらにすごいところは、特別な運転テクニックのないごく普通の人でも同じ加速が楽しめる、という点なんです」と話す。

すごいクルマが、やってきた。

たしかにEliicaの運転席はいたって普通。ギアが見当たらないぐらいのものだ。
走り出した途端に加速が始まる。エンジン音はもちろん無く、軽いモーター音が聞こえてくるばかり。座席に体が吸いつくような心地よいGがかかり、見る間にメーターは時速100kmを示す。力ずくで加速する感覚のガソリン車に比べ、Eliicaは高速走行こそが本来の姿で、加速はそこへ戻っていくためのものであるかのようだ。

比較的大柄なこの車は、案外小さい弧を描いてくるりとカーブを回る。実に滑らかな旋回で、体が横に振られることがない。自動車というよりは、まったく別の、未来の乗り物に乗っている気分になる。

「これまでの電気自動車は、ガソリン車のエンジンを外して代わりにモーターを入れる、いわゆる改造車でした。それでは性能は上がらないのです。しかしEliicaは、最初から車全体を電気自動車としてデザインしています。だからこそ、これだけの高性能が実現できるんです」

最速のスピード、最大の加速、最高の安定性。Eliicaは、単なる「ガソリン車のエコ版」ではなく、まさに、スーパー・エコロジー・カーとして誕生したのである。

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