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番組表

高い標高・人体への影響
毎日が救出劇

1920年代に記録が残されるようになって以来、現在までに203人がエベレストで命を落としている。2006年だけで、死亡者数は11人。エベレストから遺体を動かすのは非常に危険でほぼ不可能に近いため、遭難者の遺体のほとんどは現地に残されている。

エベレスト登攀に伴うリスクの代表的なものは、雪崩、クレバス(氷河や雪渓の深い地割れ)、落石と氷、時速125メートルの烈風、突如襲う嵐、華氏40度以下の気温、体重減少・脱水症状および酸素の欠乏などが挙げられる。

標高8,000メートルの脅威
■ エベレストでの遭難の80%は、身体的にはむしろ楽な下山途中に起きている。
エベレスト史上最悪の登山シーズンは15人が遭難死した1996年。1996年5月10日には、嵐のためにエベレスト頂上近くで8人が立ち往生、遭難した。
■ エベレストの頂上は空気が薄く、ケロシン燃料が燃焼しないので、ヘリコプターを飛ばすことが不可能。
■ エベレストの頂上付近は太陽の放射が苛烈。
口を開けて呼吸する登山者は口蓋の熱傷にやられることがあり、脱水症や頭痛を起こしやすい。
■ 高度5,000メートル以上では、以下の症状が起こりやすい。人体へ脳影響イメージ
・ 顔、とくに眼の周りが膨れる
・ ひどい咳で肋骨が骨折する
・ 指や舌にひび割れが生じる
・ 睡眠障害が起こる
・ 体重減少が生じる
 
生と死の狭間で

標高が高い所では、人体は酸素の欠乏に反応して赤血球を多く出す。その結果、登山者は一回の呼吸で通常以上の酸素吸入を行うが、血液濃度が上昇する結果、心臓発作や脳梗塞あるいは脳浮腫(脳のむくみにより起こる見当識障害、一時的錯乱、更には死亡さえも引き起こす)に襲われる可能性が倍増する。

標高7,800メートル以上(デス・ゾーンと呼ばれる)の場所では、空気中の酸素量は海面の30%しか無いので、急性高山病、頭痛、視力喪失、凍傷、低体温症、肺疾患、脳浮腫、異常呼吸リズム、心臓発作および幻覚等に襲われる可能性が高くなる。ここを「デス・ゾーン」と呼ぶのは高地順応が本質的に不可能だからである。空気中には酸素が僅かしかなく、非常なストレスの結果、人体が生存のために自分自身を消費し、脳が崩壊し始めるのだ。

頂上制覇の日、登山家は12,000から15,000カロリーを消費する。これは、平均的な1日の消費量の10倍に当たる。

高山病の様々な症状

世界最高峰の標高が与える影響
標高が高くなると、登山者の誰がいつ高山病になるかを予測できない。登山に伴う問題は、どんなに注意深く環境に順応しても、大抵は体が酸素を求める戦いが原因で起こる。理由はこうだ。

供給不足

海抜ゼロ地点にいようと高山にようと、空気中の酸素レベルは、同じ21%である。しかし、高いところに行くと、気圧が低くなるのが分かる。酸素分子がばらばらに離れるため、呼吸がしにくくなるのである。

供給不足その2

気圧が海面の50%になる5,300メートル地点では、一呼吸ごとに取り込まれる酸素分子の数が海面レベルで呼吸する時に比べ半減する。従って、肺は身体が必要とする酸素を取り入れるため、2倍働いているのである。

適応

海抜ゼロ地点では、気圧が酸素を肺から押し出し、血液や組織に入り込むのを助けるが、標高が増し気圧が低くなるにつれ、このプロセスが遅くなる。身体は、酸素を組織へと運ぶ酵素の産生を増やすとともに、酸素を運ぶ赤血球の数を増やして対応する。登山者はこの、標高による酸素減少への順応プロセスには時間がかかることを知っている。

急性高山病

一般に「急性高山病」として知られるAMSには、登山者は誰でも、ある程度はかかる。最も重い病状として、頭痛、吐気、嘔吐、眩暈、不眠がある。AMS は通常、重篤ではないが、その症状が肺水腫もしくは脳浮腫の初期における発現の場合もある。

高地性肺水腫(HSPE)

登山者の肺の圧力が高くなりすぎると、血漿(血液の液体部分)が肺胞に漏れ出すことがある。肺が液体でいっぱいになると、息切れ、胸痛、喘鳴、咳に苦しむようになる。死亡例の殆どは3600メートル以上で起こっている。

高地性脳浮腫(HACE)

酸素要求に応答し、脳への血流が増加すると浮腫を生じ、それが登山者の意識の混乱、眠気、幻覚、昏睡状態を引き起こすことがある。致命的となる恐れがあるが、高度の低い地点で早急に処置すれば完全に回復することができる。

判断力の欠如

脳への酸素供給が減ると、登山者は知的明晰さが欠如してくる。食べることを忘れ、方向感覚を失うことさえある。記憶は定かでなくなり、普通に話すことができなくなる者もいる。

運動失調

登山者は、バランスの良さ、運動神経、手先の器用さが必要である。しかし、これらの能力を支配する脳の部分が正常に機能するためには、大量の酸素を必要とし、標高により、空気が薄くなると、酸素供給も希薄になり、結果として、運動神経やバランスが失われる可能性がある。

睡眠障害

睡眠中に酸素レベルが低下すると、登山者の呼吸は散発性となり、深い呼吸が数回続いたあとに、数秒の無呼吸が訪れる。

脱水症状

標高により、呼吸がより深く激しくなることは、肺経由で通常よりはるかに多くの水分が登山者の身体から失われていくことを意味する。

体重減少

多くの登山者が高地で食欲を失う。体重減少には、腸においてある種の食物(特に脂肪)の吸収が通常に比べて効率的にできなくなることが、一因となっていると思われる。

血液凝固

標高により赤血球の産生が、1,2ヶ月にわたって増加するため、血液の濃度が上がり、血液凝固の原因となる場合がある。もうひとつの凝固の原因は標高の高さによる脱水である。

高地性歯痛

この疼痛状態は、歯の詰め物に空気の塊が閉じ込められた時に生じる。神経を刺激し、詰め物を浮かせ、高緯度にでは圧力で詰め物が飛び出してしまうことさえある。

高地性腸内ガス排出

この状態は標高により生じる。登山者は、腸内の正常なガス量が気圧の変化によって上昇したことを感じるかも知れない。

雪盲、もしくは「紫外線角膜炎」

高く登れれば登るほど、危険な紫外線への暴露が増す。実際、300メートル高くなる毎に紫外線への暴露は約4%上昇する。従って、エベレストの頂上にいる登山者は、海面レベルにいるときのほぼ30倍のUV光に晒されている。地面の雪は、紫外線の80%を反射し得るので、事態を悪化させるだけである。

日焼け

日焼けは深刻な危険をもたらす。登山者はSPF値30以上の日焼け止めを塗り、少なくとも日中は、2時間毎に塗る必要がある。

凍傷

四肢のいずれかに感覚がなくなり始めたら、直ちに暖める必要がある。重篤な凍傷になると、指、かかと、足および他の身体の部分を、最終的には切断しなければならなくなるほどのひどい損傷を与える危険性がある。

肺炎

標高により、埃、乾燥した空気、登山者の呼吸数の増加およびそれに関連する脱水から肺炎に至ることがある。結果として起こる重症の咳発作(エベレストでは、氷河から名前を取って、「クーンブ(Khumbu)咳」と呼ばれている)は、しばしば、あばら骨を折るほど激しいものである。肺炎は抗生物質で治療しなければならない。

低体温

体温の病的低下は、判断力の低下、動作のぎこちなさ、発語不明瞭、衰弱、進行性精神的損傷の原因となり、最終的は意識消失と心不全に至る。

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